熱に当ててはいけない

糖尿病でインスリンを使った治療をされている方は、車の中にインスリンを置き忘れないように注意する必要があります。
夏に、炎天下の車内にインスリン剤を置き忘れるのは厳禁です。
インスリンはタンパク質でできているため、とにかく温度変化に弱いからです。
これは、治療に薬剤を使う患者さんはもちろんのこと、それを薬局や病院に運搬する役目をする人営業マンの人たちもよく頭に入れておかなければならない注意事項です。

インスリンは安全に保管できる温度帯か決まっています。
室温で保管する場合は、1〜30℃、そして冷蔵庫で保管する場合は、2〜8℃の範囲内で保管しなければなりません。
特に、インスリン剤にとって大変危険性が大きい場所は炎天下の屋外や、日がよくあたる窓際、そして、自動車の中などです。
真夏に自動車の中にインスリンを置くのは、例えエアコンをかけた状態であったとしても、極力避けないといけないようです。

持ち運びに気を配る

日本自動車連盟が行った実験によりますと、エアコンをかけていたとしても、車内の温度はインスリンにとって危険な温度までたちまち上昇をしてしまうということが判明しています。

実験の結果、7月下旬の日差しのある日の場合、例え車内でエアコンをかけていたとしても、外の気温が30度くらいなら、エアコンを一番低めに設定した時は車内の温度は30度以上となり、午後を回り、外気温が34度近くに上昇しますと、エアコンをかけていても車内温度は38度近くにも上昇したということです。

エアコンを強くかけていたとしても、エンジンが止まった状態の車内は危険な温度となります。
そのため、どうしても車でインスリンを運搬しなければならない場合は、専用のケースに入れたインスリンと冷凍庫でよく冷やした保冷剤をタオルで包んだものをクーラーボックスに入れて密封しておき、車内の後部座席の下に保管しておくのが一番良い方法であるといわれています。

この方法を使って運搬すれば、インスリンは半日くらいはもつということです。
また、インスリンは暑すぎる場所に置くのは良くないですが、逆に低い温度になりすぎる場所に置くのも良くないです。
夏場はインスリンが高温になりすぎるのを防ぐために冷蔵庫にそれらを保管するという方も多いと思いますが、置く場所によっては、かえってインスリンを劣化させてしまう場合もあります。

冷蔵庫の中に置くにしても、冷気が直接噴き出してくる冷気噴出口のところにインスリンを置くのは、インスリンの凍結をまねく恐れがあるため、絶対に避けましょう。
また、インスリンは開封前と開封後で保管方法が違うということにも注意しなければなりません。

開封する前は、2〜8℃の冷蔵庫などで保管するのが望ましいのですが、開封後は、室温で保管するのがよいとされています。
その理由は、冷たいままでインスリンを注入することによる痛みを防ぐためと、結露が生じることによるインスリンの注入器の故障を防ぐためです。