飲み間違いのもととなる薬の分け方

薬局で働いていると、たまに患者さんが、どの薬が何の病気のものか、何錠飲んだら良いか分からなくなったといって、ご自分の薬を持って来られることがあります。
薬を入れていた袋から出して、すべてを一緒にまとめてしまっているので、どれがどれだか分からなくなってしまっているようです。
飲み間違いをしてしまったら大変ですので、一つ一つ確認して、薬ごとに分けてあげることになります。

通常は、同じ薬をささっとまとめて、袋に入れ直してあげるだけで済むのですが、たまに大変な作業になることもあります。
錠剤を1つずつ切ってしまい、すべてがバラバラになっているパターンです。
こうなると、一錠ずつすべてを確認しないといけないので、時間も手間も相当かかります。

高齢者の方に多く見られる傾向で、バラバラにすると飲みやすく感じられるのでしょう。
しかし、薬の種類が分からなくなってしまうと、飲み間違いのもととなりますので、できれば避けていただきたい方法ですね。

できるだけ渡したときと同じように保管して欲しい

高齢者の方を中心に見られるケースですが、薬の飲み忘れを防ぐためにということで、薬局で渡した保管袋からすべて出して、ピルケースなどに入れていることが多いようです。
もちろん、すべての薬がケースにすべて入って、きちんと整理されていれば、かなり使いやすいのですが、ケースに収まりきらない錠剤が、バラバラになってしまうことも多々あります。

そうなると、前述のように、すべてがごちゃごちゃになってしまい、結局薬を種類ごとに分けるのに苦労することになります。
そのため、必要な分だけピルケース用にカットして、後は薬を渡したときと同じような形で保管するようにしていただけたら、飲み間違いを防げるのではないかと思います。

複数の薬局で薬をもらっているとさらに複雑

いくつもの病院に通っている患者さんも多いので、そうなると薬をもらう薬局も複数になる傾向があります。
どうしても、病院の近くの薬局で薬を受け取ろうとされるので、しょうがないのですが、時に混乱の原因になることもあります。

薬袋の整理がうまくできなくなってしまい、ごちゃごちゃになってしまうのです。
服用する薬の種類が多くなると、飲み合わせの注意点も出てきますので、できるだけ行きつけの調剤薬局を1つに絞っていただければ、薬剤師にとっても患者さん自身にとっても益になると思うのですが、なかなかそうもいきません。
せめて、患者さんが自分の薬局に来られた時に、他の薬局でも薬をもらっているのであれば、薬の分け方をしっかりとして飲み間違いがないように、教えて差し上げることくらいしかできないですね。