抗うつ薬には注意を払う

てんかんを持つ患者さんには、いくつもの禁忌となる薬剤がありますので、薬剤師としては十分に注意しなければなりません。
そのうちの1つが抗うつ薬です。

(参考記事)
http://www.okusuri110.com/kinki/shipeikin/shipeikin_17.html
もちろん、すべての抗うつ薬が危ないということではなく、抗コリン作用が強く出るタイプを避ける必要があります。

代表的な薬剤としては、ルジオミールが挙げられます。
抗コリン作用が強い抗うつ薬を飲むと、痙攣を誘発する危険性が高まりますので、てんかんには禁忌の薬剤となっています。
てんかんとうつ病を同時に持っているのであれば、薬の種類をしっかりとチェックするようにしましょう。

また、抗コリンとは逆の、コリン作動薬についても気をつけなければなりません。
自律神経薬として用いられる、ベサコリンやエボザックといった薬も、てんかんを誘発する危険性がありますので、禁忌となっています。

抗ヒスタミン薬も禁忌のものがある

アレルギー反応をもたらすヒスタミンは、痙攣を抑制する働きをも持っています。
そのため、ザジテンなどの抗ヒスタミン薬を服用すると、痙攣が誘発されることになりますので、これも禁忌となっています。
てんてんと抗アレルギー剤の関係をイメージしないこともありますので、耳鼻科などから処方される可能性も捨てきれず、薬局における薬剤師の働きが重要になってきます。

とりわけ、小児のケースでは中枢系の機能が大人のようには発達していませんので、十分注意しないと重大な症状をもたらすこともあります。
また、てんかんを現在進行形で患っている患者さんだけでなく、既往歴がある方にも作用することがありますので、しっかりとチェックしましょう。

処方されることが多い薬にも注意する

他にも、禁忌という形ではなく慎重な投与が必要という薬でも、全体的に処方される頻度が高いものもありますので、薬剤師としては気をつけなければなりません。
たとえば、シプロキサンやロメバクトといったキノロン系の抗菌薬が挙げられます。
こうした薬は、神経抑制を阻害して、痙攣を招くことがありますので、結果的にてんかんを誘発することになりかねません。

抗菌薬は、様々な症状に使われるものですし、医師としても処方する割合が高いものですので、薬剤師としては患者さんの病歴などを確認して注意をしなければなりません。
もちろん、禁忌薬ではありませんので、処方が間違いというわけではありませんが、十分な注意をしつつ服用することが求められていますので、医師への確認や患者さんへのしっかりとした説明がいることになるでしょう。
てんかんに関係する注意すべき薬は結構多いので、てんかんを持っている患者さんの処方には丁寧なチェック作業と説明が必要となります。