大きな将来性を持っている漢方のマーケット
日本における漢方関連のマーケットはとても大きく、将来性があります。
今のところ、漢方が医薬品として持っている売り上げ規模は1,400億円あり、健康食品という分野では2兆円を軽く超える規模を誇っています。
いかに、漢方薬や漢方による健康食品に信頼が寄せられているかが分かる統計です。
しかも、現在の3兆円近い漢方マーケットを、10兆円規模にまで押し上げたいたいという動きもあります。
これからさらに漢方のマーケットが拡大していく可能性を見せていて、新薬開発や普及活動が進んで行くことにつながるかもしれません。
もちろん、これだけの規模の医薬品マーケットを日本だけで作り上げるのは、なかなか難しいことに思われますので、海外への進出なども考慮に入れることになるでしょう。
漢方という考えは中国のものと考えられがちですが、実は日本において構築されたものですので、日本が世界に向けて発信する医療市場ということで、かなり魅力的な話に聞こえます。
統計学的、医学的に有効性を証明することが必要
日本を含む世界における現在の医療基準は、西洋医学を基にしています。
そのため、いわゆる伝統医学に分類されることになる漢方薬は、西洋的なスタンダードを作り上げる必要があるでしょう。
経験則によって効果を示すのではなく、臨床試験などを繰り返し、統計学的に有効なデータをしっかりと採ることが、医療関係者や患者さんの信頼を勝ち得るものとなります。
また、いわゆる西洋薬が信頼される理由は、医学的に見てどの成分がどのように機能に影響をもたらすかがはっきりしていることにあります。
論理的な思考によって、治療や処方を行えますので、効果の予測がしやすく信頼度も高いのです。
同じように、漢方薬もそれぞれの薬に含まれている成分がどのように、またどの部分に働きかけて機能を改善するのかを、分かりやすい形で示すことが求められてくるでしょう。
日本の漢方技術は世界的に見ても高い
いわゆる漢方薬については、中国や韓国でも同じような考え、配合のものがあります。
しかし、薬効成分の抽出技術や配合の仕方などにおいて、日本は高い技術力を持っています。
製品の質から見れば、かなりの国際競争力を持っていますので、こうしたアドバンテージを十分に活用することが必要でしょう。
世界に漢方薬の有用性を発信することで初めて、大きなマーケットを確保できますので、広報活動も重要になってきます。
官民が力を合わせて、日本が国際標準の牽引役となれるように奮闘されることが期待されますね。
こうしたマーケットの拡大は、より多種類かつ質の高い薬を作ることになりますので、大きな益があることではないかと思います。