新しく追加されたジェネリック薬

2015年6月にいくつかのジェネリック薬が新たに薬価に収蔵されました。
ナフトピジルやレトロゾールなどがありますが、その中にクロピドグレルGEと メトホルミンMTが含まれます。

これらの新たな後発薬の薬価を見てみると、大抵のものと同じように、先発薬のおよそ半額くらいになっています。
患者さんにとってもコスト面でのメリットが大きいですし、薬局としても後発医薬品使用率を高めるのがより楽になるので、うれしい動きと言えるでしょう。
こうした複数の後発薬によって、様々な病気に対応できるジェネリック薬品が増えますので、社会的にも意義が多いのではないでしょうか。
それぞれのメリットを押さえた上で、患者さんに分かりやすく説明していくことが求められます。

メリットが大きいクロピドグレルGE

複数の薬価収蔵がなされましたが、その中でもクロピドグレルGEに注目が集まっています。
というのも、薬局にとっても患者さんにとってもメリットが大きい後発薬で、かなり使用量が多くなるのではないかと考えられるからです。
この後発薬の効能としては、心原性脳塞栓症以外の虚血性脳血管障害が起きた後の、再発率を下げるために用いられます。
また、心疾患や急性冠症候群、陳旧性心筋梗塞、安定狭心症などで、PCIが適用される疾患にも、積極的に用いられることが考えられます。

こうした症状を患う患者さんの、医療費などの負担は従来大きなものとなっていましたので、先発薬であるプラビックスの半分以下の薬価となっていることには、大きな意義があると言えるでしょう。
しっかりと承認されたジェネリック医薬品となっていることで、安心して患者さんも活用することができるようになっています。

一方のメトホルミンMT

メトホルミンMTも、メトグルコ錠のジェネリック薬として薬価収蔵されましたが、こちらは少し他とは異なる事情があります。
先発薬であるメトグルコ錠の250mgが、10.2円の薬価なのに対して、メトホルミンMTは9.9円となっています。
もともとそれほど高価でなかった薬ということもあり、ジェネリック医薬品のメリットがあまり強く感じられません。
また、新たな薬価改定では、メトグルコ錠も下げられると予想されていますので、そうするとメトホルミンMTのメリットがさらに減ってしまいます。
薬局としてもジェネリック使用量を上げることができないので、少々使いにくい後発薬となっています。
後発医薬品は、どうしても薬価の低さが主なメリットとなりますので、こうした事情があると、薬局としては厳しいですね。
同じような値段なら、患者さんも先発薬を使いたくなるものですので、採用を見合わせる薬局も多いのではないでしょうか。